「卒業論文」・・・オクトーの今月のコラム
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Vol.27 卒業論文
 3月。卒業のシーズンです。寒かった冬にじっと蓄えたエネルギーは春の芽吹きとともに外へと放たれていくかのようです。

 私は卒業のシーズンにたくさんの思い出があります。その中のひとつは卒業論文。大学を卒業するために課せられる最大の難関でした。私は文学部でしたので、ある文学作品についての研究論文を書きました。テーマは3年生の秋には決まり論文の骨子もある程度スムーズにできていました。ところが、論文を提出する期限が間近に迫った頃、なぜか筆がぴたりと止まり、書けなくなってしまったのです。結論は見えているのに書けない、規定の原稿用紙の枚数を埋められない・・・。焦りと不安で眠れない夜が続きました。そしてある日、思い余って担当助教授の先生に相談に行きました。半分しかできていない原稿を読んでもらい、私は泣きそうになりながら「これ以上書けません。どうしたらいいのかわかりません。」と、先生にすがりました。

 先生はその時私にとって忘れられない一言をおっしゃったのです。
「甘い。書けんのは、つきつめて考えてないからや」と。にべもなく先生はそう言い放ち、「間に合わへんよ」と非情にも付け加えられました。私は地獄に突き落とされたように感じ、恐怖がじわじわと押し寄せてきて、胃がきりきりと痛んだことを憶えています。しばらくショック状態に陥ったあと、気を取り直し、やるしかないのだと腹をくくり、間に合うようにと祈りながら必死で仕上げました。

 今読み返すと顔から火が出そうなくらい稚拙な論文ですが、中味に不釣合いなブルーグレーのハードカバーに金色の文字で製本された卒業論文は、今も私の机の中に大切にしまっています。
 論文の成果はともかくとして、「書けないのは、つきつめて考えていないからや」と先生が私にふるった厳しいひと振りの鞭はその後、師としての愛であったと感謝とともに受け止め、私の人生の宝ものとなりました。

 私は物事に行き詰ると先生の言葉を思い出し、「私はベストを尽くしているか。」「私はつきつめて考えているか。」と自分自身に問いかけます。
 一生に一回きりと思った論文は、オーラソーマのレベル4の課程でもう一度私にチャレンジを迫り、今度はベストを尽くすことができたと思います。

 このことを考えると、イエローのテーマが思い浮かびます。オーラソーマのシステムに哲学的な影響を与える、ルドルフ・シュタイナーはその著書『自由の哲学』の中で、「徹底的に観察し、徹底的に思考せよ」と説いています。思考というプロセスを経て、私たちはものごとを理解し、納得していきます。

 思考はイエローが持つキーワード。そしてイエローはものごとをありのままに照らす太陽の光にたとえられます。それは明晰にものごとを見るということを私たちに教えます。

 「本当の思考」とは、自分の思い込みや期待や価値観という感情が創り上げたフィルターをはがしていく作業を伴うかもしれません。それは、イエローにあらわされるもうひとつのメッセージ「エゴ」、つまり自分の見たいように見、解釈したいように解釈する、自分の感情に左右されるものの見方や考え方ではなく、「エゴ」というサングラスをはずして、太陽があまねく照らし出すすべてのものを、ありのままに見ていくことかもしれません。

 ありのままに見ていったものは私たちの中へ、まず知識として吸収され、消化という過程を経て、ゴールドの知恵へと、そしてオレンジの深い洞察や、人生の理解へと変容していくのではないでしょうか。
 イエローはまた、太陽神経叢とも呼ばれる第3チャクラ、私たちのパワーセンターの色でもあります。
 ベストを尽くせる自分自身のパワーを信じ、恐れを超えてありのままを見つめながら生きることは、真理を探究する、旅のはじまりといえるかもしれません。
春のイメージ
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